今回は建物の防水についてです。
戸建てにおいて、防水は高額となりがちな修繕のひとつでもあります。
防水の寿命は一般的に10年~20年程度であることから、自宅のメンテナンスの時期と予算を計画しておきましょう。
目次
■建築物における屋根の種類
建築物は雨や雪などを内部に浸入させない為に屋根やベランダに防水処理をします。
防水処理を行う場所は屋根やベランダだけではなく、壁なども、横からの水分浸入に対しての防水が行われます。
横からの防水に関しては、壁材そのものが防水の役目をするものが多いですが、つなぎ目や開口部などの処理にはコーキング材を使います。
特に重要なことは上からの防水です。
雨や雪は屋根に直接落ちてきます。
そういった水の大半は勾配などを付けて樋や排水管へ流すのですが、残った水や溜った水が建物内に染み込もうとします。
その水が建物内に染み込まないようにするのが防水処理です。
屋根の種類によってやり方が変わります。
■瓦屋根における防水
大きな勾配の付いている瓦屋根では下地で防水処理を行っていて、さらに瓦など屋根材を施工する際、水上の瓦を水下の瓦の上に重ねる形で取り付けます。
水は高い所から低い所に流れますので、瓦の隙間から水は浸入し難くなります。
この方法により、二重の防水効果で雨水の浸入を防いでいるのです。
■陸屋根(ろくやね、りくやね)における防水
傾斜の無い平面状の屋根のことを言いますが、こちらの防水は注意が必要です。
平らな屋上とはいえ、若干の勾配は付いています。その勾配により排水溝へと水を流す訳ですが、前述の勾配屋根に比べたら水の流れは明らかに悪いです。
大雨の時には若干水溜りが発生することもあります。
勾配屋根に比べれば防水に対する条件が悪くなります。
木造建築物の陸屋根は特に注意が必要です。
木造建築物においても陸屋根を設けた物件は多くありますが、木造の陸屋根は防水層が切れやすいのです。
防水層が切れると雨漏りが起こります。
なぜ木造建築物の陸屋根防水は切れやすいのかと言いますと、木造は構造体が木でできているので変形しやすいから。
強風や地震によって建物は揺れます。
ちょっとした揺れや歪みでも、それが繰り返されることにより防水材の一部に損傷が起きます。
そして建物内に入った水は木材を腐らせます。
更には湿った木材はシロアリの発生を促してしまうのです。
木造の陸屋根はできれば避けた方がよいでしょう。
防水メンテナンスは定期的に行うことが必要
そして防水には寿命があり、定期的に補修をする必要があり、15年程度で全面の張替え工事も必要になります。
この場合の工費も多額になり、建物の修繕費用としては外壁塗装費用と並ぶ程大きい金額になります。
キツイ出費ですが、怠ると雨漏りという重大なトラブルを引き起こすこともあるのです。
雨漏りは原因の特定が非常に困難な為、防水施工後10年以上経過した建物では、最低でも1年に1回程度は確認した方がよいと言われています。
屋根やベランダ、外壁などもしっかりメンテナンスをしましょう。
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